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ジーニアス・ファクトリー

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デイヴィッド・プロッツ

ジーニアス・ファクトリー

定価: ¥ 2,100

販売価格: ¥ 2,100

人気ランキング: 228939位

おすすめ度:

発売日: 2005-07-21

発売元: 早川書房

発送可能時期: 通常24時間以内に発送



日本の倫理観との違いを感じた
アメリカの精子バンクについて取材してまとめた本だ。

天才の精子を提供するとした遺伝子バンクということで、著者の興味のスタートに「氏か育ちか (Nature or Nurture)」という問題があったようだが、実際には天才精子バンクという実態はなかったと言う、予期せぬ形で見事に裏切られて、結論は出ない。

個人的には、「Nature」としての天才はそれほど珍しいものではなく、それが発現するのに必要な「Nurture」なり「偶然」なりが「right time, right place」になかなか得られないのが、天才が稀な理由だと考えているので、よしんばバンクが売り文句通りに運営されていても結論が出たりはしなかったであろう。そもそも、父母由来の遺伝子だって一期一会。様々な遺伝子同士の一期一会が個性を、従って天才を作り出すのだ。しかも、良い方の遺伝子を一つでも多く持っていれば天才に近づくというような線形の単純な世界ではない。

ただ、著者の逆に「Nature」の寄与を underestimate したいような口調にも少し閉口した。父から単純に受け継ぐ「Nature」ではなくとも、明らかに持って生まれたものはあるのだし。

取材を通じた、人生への干渉は多少たじろぐものがあった。遺伝子バンクベイビーを精子提供者に会わせるよう奔走する(著者に取っては本を書くという功利的な理由があるだろうに)のは、私の倫理観と合わなかった。アメリカ人と日本人の違いを感ずる。

もう一点。本書を読んで、精子バンクが欧米でいかに普及しているか驚いた。アメリカばかりでなく、イギリスでも精子バンクベイビーが父に会う権利について真剣に議論されていると言う。日本なら、そんなことを表立って始めればメディアに大タタキされて、叩かれた人はやめてしまって一歩も先に行かないだろう。

これは、脳死問題でも同様である。日本の子供がアメリカに移植手術を受けにいくのが、メディアから美談として紹介されることに違和感を感ずる。普段メディアは、脳死移植について否定的に世論を誘導している事実があるからである。精子バンクでも同様のことが繰り返されるのではないかと危惧している。

(今、ウェブで引いたら、日本でもなくはないのですね。何かあったらメディアの祭りになるんだろうなあ)

ジーニアスのことをもっと知りたい
天才を先天的な要因すなわち遺伝子レベルから生み出そうとする論理は後天的要因すなわち教育環境よりも、もっと強力な手段のように思われます。教育学における遺伝説と環境説の対立を考察するための資料として読ませていただいたのですが、内容的に生物学、ライフサイエンス的な記述が多かったので、当方としてはあまり参考になりませんでした。

天才の子供は天才か
昔アメリカにあった、ノーベル賞受賞者の精子ばかりを

集めた精子バンク(レポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス)の

精子から生まれた子供がどうなったか(本当に天才になったか)を

追跡調査したノンフィクション。

著者のかゆいところに手が届く周到な筆も痛快だが、

何より事実の奇妙奇天烈さに驚かされる。



ひとつわかったのは、IQが高いからといって

人生が楽になるわけではない、ということ。

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