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妊娠カレンダー

妊娠カレンダー

小川 洋子



定価: ¥ 1,020

販売価格:

人気ランキング: 516877位

おすすめ度:

発売日: 1991-02

発売元: 文藝春秋

発送可能時期:



食の安全はどこにあるのでしょうか
『妊娠カレンダー』です。表題作の他に、『ドミトリイ』『夕暮れの給食室と雨のプール』を収録した短編集です。

表題作は芥川賞を受賞していますが……作者の小川洋子といえば代表作は『博士の愛した数式』でしょう。『ドミトリイ』の中には数式を駆使する数学科の大学生がいたりして、ちょっと興味深いです。



三作に共通しているのは、けっこうダークな作風であることと、食べ物が作品の中心に描かれていることです。

偽装とか薬物混入とか、食の安全がわからない昨今の中で読むと、更に面白さが増しそうです。



どの作品も純粋に面白いです。文章は読みやすいし、純文学なんだけど、どの方向性に向かっているのか分かりやすいし、主人公の心理も分かりやすいです。ちょっとホラーっぽくもあり、謎解きっぽい要素もあったり、面白いです。



注意、グレフルジャム。
つられて過食症なりそうです。笑 

綺麗なんですもの、過食光景。

静かで明るいダイニングで、鍋からグレフルジャム。

・・えぐいのに和みな小川世界。



妊娠したとき、

思い出して真似しちゃわないようにちゅい。

日常にありふれている負の感情を描いた作品
 いかにも芥川賞受賞作といった類の純文学作品。同居生活を送っている「私」と姉、

姉の夫という三人の生活がこの作品の主な舞台となっている。

 妊娠してからというもの、「私」の姉はどんどんヒステリックになり、美しかった肢体

には肉がつき、二重顎にたるみ始めた・・・「私」から見た「私」の姉や姉の夫の言動をひた

すらに描写し続け、「私」の些細な感情の揺れはいちいち描かれないまま、しばらく物語は

進行していく。一人称で描かれているが、中心に据えられているのは姉だ。

しかし、「私」がアルバイト先のスーパーでグレープフルーツを貰ってきたあたりから、

「私」の意図が見え隠れし始める。それはグレープフルーツでジャムを作り、姉に食べさ

せ続けること。昔、米国産のそれについて叩き込まれたある記憶が「私」にそうさせた。

なぜそのような行動に出るのか? 人間が隠そうとする、あるいは気づきたくない負の

感情のうちの一つがそうさせているのだろうと予想はつくが、何とも言えず不気味な妹

なのだ。姉が産んだ赤ん坊を見に行く「私」は、いったい何を見ることを期待しているの

だろう?

 小川さん独特の手法にかかれば、ありふれた日常もホラー的な要素満載である。

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